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Author:白乃野ちこ
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| 小説2 |
やたらめったら長いので縦読みは疲れちゃいそうなのもあり分割しました。 一応続きのアルト姫パート前編。 後編は今晩日付の変わる辺りに上がります。遅くとも2時くらいには。 そんなにエロいことやってないのにエロいなと思ってもらえれば。 今回も萌えさせられればなんかつくかもしれませんので頑張る…。
しかしミハエルが最初の認識だとただの鬼畜眼鏡だったのに最近 普通のエロい学生さん的認識に変わってきててエロパートきっついです。 子供っぽさも残しつつエロいそんなキャラはじめてだよ・・・。 結構お茶目な青少年ミハエルに近づけてみたつもり。だがしかし。 設定もFではゼントラーディの設定が簡略化されてそうでどこまで引き継ぐ んじゃー!!!と一人で死亡。結局1つエピソード削りました。残したのも 後半にあるけど大丈夫かなあ・・・・。 周囲にお前それ仕事じゃないんだぜと言われましたが知りません。愛だ。
これ終わったらまた文章作業なので合間に姫とミハエル描きたいれす。 なんか落書きばっかりなんで普通に描いたなにかを・・・。 そろそろぴくしぶにマクロスFでも上げるかな。 小説ももう1本やりたいミハアルが…身体足りない。愛は足りてるのに!
ああ!でも嬉しいことあった。友人MがマクロスF全話見たーやたー!! 初代DVDボックス買う奴がF見ないと損するぜと思ってたんだけど。ほくほく。
感想は週明けになるかもしれません。上げるものも多いので順次。
おりたたんでるので↓をどうぞ。 微妙に続いてるので気になる方は前のやつも読んで下さい
「viola」Shironono Chiko
アルトSide(前編)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
「もうッ、どこに行ってたんですかアルト先輩!今日は講習会ですよ。早く行かないとまた説教されちゃいますってば!!」
もう下校時間も過ぎた教室には数人の生徒しか残っていない。 がらりと俺が扉を開けるとその中でも一際小柄な少年…ルカ・アンジェローニが立ったままこちらに向かって叫んだ。隣には椅子に座っている気だるげな男が一人。ミハエル・ブラン…コイツもルカと同じ俺のクラスメイトだ。
そう、今日は俺が所属する民間軍事プロバイダーS.M.Sの定例講習会。いわゆるいつもの訓練にミーナ達による講習+口煩い隊長の説教付きというあまりおめでたくない日だ。 確かに民間とはいえS.M.Sはフロンティア行政府からのミッションを受けることも多い。その為のマナーや規約、次世代主力可変戦闘機VF-25の事、アイランドワンの歴史まで幅広い知識を教え込まれるのは当然の事と分かっているのだが。
「飛ぶ事しか興味が無いもんな。このお姫様は」
いつの間にか鞄を持って隣に立っていたミハエルはそう言って、俺の心を見透かすように…にやりと笑った。少し離れたその後ろでルカがぷっと吹き出したようだったが、すぐ「先輩は本当に飛ぶ事が好きなだけなんですよね!」とフォローをした。 ・・・・全くフォローになってはいなかったが。
「別にサボろうと思ってた訳じゃないからな。まだ時間は間に合うし…ちょっと野暮用で・・・」
定例講習会に参加しないなんて新人の俺には解雇同然の事。流石に俺だってそれ位は分かっているし、疑われるのは心外だった。だが隣の男…ミハエル・ブランはそれも知っているとばかりに小さな声で俺に言った。
「へえ?校舎の裏で可愛い女の子と二人きりの野暮用とは…姫も隅に置けないね」
今度の言葉には流石の俺も身体を固まらせる。 何故知っている…と、睨み付けるがまた不敵な笑みを浮かべてその男は続けた。
「さっき教室を出る女の子達が噂してたぜ。『早乙女君が断ったのってもうあの子で20人目だよ』ってね」
「・・・・・・・っつ!」
俺はその言葉にかあっと顔が赤くなるのを感じた。 それはこの教室に戻る少し前の出来事だ。なのにもう噂が広がっているというのは何なのか…本当に女性の情報能力の高さだけは勘弁して欲しい。かといって手紙に書いてある場所に行かないってのも悪い気がして…それも出来ない自分が情けない。
「付き合う気が無いなら行くなよ、姫」
「うるさい!そんなのお前には…」
関係無い、と言うつもりだったがそれはミハエルの言葉で遮られた。 やけに真剣な視線に、俺は一瞬言葉に詰まってしまう。
「それは優しさじゃない。行ってもお前は半端な返事で相手を傷つけるだけだ」
小さな、それでいていつもよりワントーン低い声。 動く男の唇は耳元で息が少しかかる程。こんな近くにいた事を俺は今初めて気づいた。 そうだ…こいつは時々分からない反応で、こんな風に俺に向かって話す。だけどそれはどれも反論出来ない程的確で、俺はまた男を見つめたまま黙ってしまった。ミハエルもそれ以上なにも言わず俺を見ていて・・・。 その無言の空間は居心地の悪いものだった。 だけどそれは焦るようなルカの声によって破られる。
「はいはい!何言ってんですかもう…アルト先輩もミハエル先輩も行きますよ!僕までお説教されるなんて絶対に嫌ですからねっ」
教室の入り口で立ち尽くす俺達をルカが急かす様にぐいぐいと押す。 携帯で時間を確認するともう走らないと間に合わない時間になっていた。確かに3人まとめて説教なんて俺も御免だ…それはミハエルも同じのようで鞄を抱えて「行くか」と短く俺達に言った。 ちらりと見るとさっきまでの表情も普通に戻っているようだった。軽口もいつものソレで・・・。
「すまんなルカ。こんな場所で姫に口説かれてな…」
「は、はあっ?!何だよソレ!元はといえばお前が・・・っ!」
「あー・・・もうどうでも良いですからそこどいて下さいよ。もう僕一人で行きます」
呆れた様に言うルカは今度こそ本気で置いていくつもりだ。 俺も急いで鞄を持ち替え、2人に置いて行かれないように廊下を駆け抜けて行った。さっきのミハエルの態度は気になったものの、今の俺には目先の遅刻の方が大事だったから。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
「ふう・・・・っ」
ため息をつくと大きな浴場の中をそれが響いて消えていく。 もう夜も遅く、点呼も終わった消灯間際の浴場には人の姿は無い。俺はその広い浴槽の隅でゆったりと疲れた身体を休めていた。
本当に今日は散々だった。 結局講習には間に合ったものの、どうもそれに集中出来ていない俺だけが説教フルコース行きで…あいつらは終わると同時にさっさと部屋に帰ってしまう始末だ。 1時間以上遅れて部屋に戻った頃には上のカーテンは閉まっていて、俺は友達甲斐の無いルームメイトに内心愚痴りながらここに来たって訳だ。ま、アイツが起きてても部屋で会話を交わす事も少ないけれど。
ぴちゃんと、高い天井から水が落ちる音がして、一人の浴場にはそんな音も大きく響くのだと思った。さっきまで大人数が使っていた湯の温度は少し低い気もするが今の俺には適温だ。時間が無い夜はシャワールームで済ます事も多いが、たまにはこうやってゆっくり湯船に浸かるのもいい。
肩まで浸かると結わえていてもまだ長い髪が湯の中に広がっていく。
「そろそろ少し切るか・・・」
さっきもルカに髪がエクスギアに絡まると言われたばかりだ。今のところ支障は無いけれど、確かに少し揃えた方が良い気もする。 後ろにいたミハエルはいつも切り過ぎるなと文句を言うが、今日もやっぱりお決まりの様に言ってきた…揃えるだけで短くする気は最初から無いんだが。
・・・・・・そういえば、学園でのあいつは様子がおかしかったな…と、今更ながら思い出す。 かといってそれは本当にあの時だけでS.M.Sでは普段通り。部屋に戻っても会話は全く交わさなかったけど多分普通だ。あいつの行動は時々本当に分からないと思うけど、それはただ単にきまぐれなのか? 距離を置いていたかと思えば、ふと気付くと息がかかる程近くにいる。突き放した口調でいつもからかう癖に、時々真剣な瞳で…そういうのは苦手な俺が喋れなくなるのを楽しんでいるとしか思えないけど。
あいつの事は考えれば考えるほど分からなくなってくる。 長く湯に浸かっていたせいか、頭がぼんやりとしているからかもしれない。 身体も十分温まっているし、髪もまだ洗っていなかった。そろそろ出ないと消灯時間に巻き込まれてしまう…そんな風に思い、後ろを振り返った時に俺は凍りついた。
「変な顔して、せっかくの美人が台無しだな、お姫様」
こんな台詞を俺に言う奴はこのS.M.Sに一人しかいない。 視界には腰に巻いた白いタオル、見上げると見慣れた薄いブロンドに緑の瞳が見える。そう、さっきまで考えていた男が目の前に笑みを浮かべたまま立っていた…そりゃ俺が変な顔をするのは当たり前だ。
「お前、寝てたんじゃなかったのかよ…」 「いや、シャワーは浴びてたんだがどうしても風呂に入りたくなってね。そうしたらこんな時間に人がいた…それがアルト姫だったって訳だ」
涼しい顔でそんな事をさらりと言うと、目の前で身体を軽く流し…そのまま湯船の中に入ってくる。しかもこんなに大きな浴場なのに何故俺の隣に…まるで寄り添ってるみたいで他人が見たら気持ち悪いぞ、これ。
しかし当のミハエル本人はそんな事お構いなしという感じで、隣に座ったかと思うとじっと俺を見ているようだった。それはあの学園を出る時のものと同じ色で、俺はどうしたらいいのか分からなくなってしまう。
「な・・・・何か俺に言いたい事でもあるのかよ…っ」
「いや、姫は本当に全身が白いんだなと思ってね」
・・・・・・意味が分からない。 でも関心するように言うミハエルは別にからかう様子でもなく、そのまま俺をまたじっと見ているようだった。考え事をしてるような、そんな感じ。 確かに風呂でこいつと会った事は無いが、更衣室では俺の肌なんていくらでも見ている筈で今更何を言っているのかと思う。 しかも俺の事なんていつも興味無さげにしているこいつが、女に向かって言うような気持ちの悪い台詞を俺に吐いている。肌が白いなんて言われて俺が喜ぶなんて思ったのか?いや、むしろこいつが俺を喜ばせる事をする筈が無い。ならやっぱり真剣な表情でからかっているのだろうか・・・・。
顔にはうっすらと汗が滲んで、俺はそれを軽く右手で拭った。 ぴちゃりと水音が響く。 そんな音にすら敏感になる、静かな空間。
そしてまた、沈黙。
もう、耐えられないと思った。 今日のミハエルの変なペースにはついていけない。頭の中もぼんやりしてさっきから限界だと伝えている。
「俺、先に・・・上がるから・・・・っ、」
ふらりと、立ち上がる足元もおぼつかない。だけど脱衣場まで辿り着けなくてもせめて、冷たいタイルに凭れ掛かりたかった。 両手を浴槽の淵に置き身体を支えるように立ち上がるけれど、ぬるりとしたそこは手を安定させるには不十分で…そのまま俺は固い浴槽の端に身体をぶつけてしまいそうになる。
もう、駄目だと思った。 思わず、きゅっと恐怖感で目を閉じる。
でもそれは少しの衝撃も無く、隣の男に受け止められていた。ミハエルの右腕は倒れこむ俺の腰を支えてそのまま抱き寄せるように。
「大丈夫?姫」
「あ、すまない…ミハ・・・エ・・・」
少し焦るようなミハエルの表情が近い。 腕の中にいるのだから当たり前なんだけど。 というか腕、が…背中に回されて俺はまるで抱きしめられる格好で。しかも耳元で「気付かなくてすまない」と声が聞こえたかと思うといきなり身体が反転して宙に浮いた。 俺の脳内は突然の展開についていけないというように真っ白だ。 平常心を取り戻したのはミハエルが3歩歩いた辺り。 いや、でもこれは平常心では無くパニックってやつだ!だってこれはどう見ても…自分で言うのも憚られる女性が憧れのアレで!
「や・・・っ!嫌だ!こんな格好で・・・ッ!!」 「こら、暴れるな!!姫は大人しく抱かれてるものだろ?」 「いーーーやーーーだーーーッ!!!」
足をばたつかせながら俺は必死に男子としての大事な何かを守ろうとする。確かに身体も頭もふらふらとしていたがそれは俺にとって重大な問題だ。 だがそれも男の一言で簡単に封じられてしまう。
「あまり煩いとその唇、塞ぐからな」 「・・・・・・・・・・ッ?!」
至近距離で見る瞳は綺麗なエメラルドグリーン。 それが有無を言わせない口調と共に妖しい光を帯びた。
・・・・・こいつ、本気だ。 ごくりと息を呑む俺を笑いながら運ぶミハエルは完全な勝者だった。 さっきまでは黙って考え事をして俺を見ていたのに、またいつものミハエルに戻っている。もう、訳が分からない。
抵抗する気もそんな元気も無くなった俺は、大人しく男に身体を預けてしまう事にした。しかも運ばれている最中、タイミングが良いのか悪いのか消灯で電気が全て消えてしまったのだ。 暗闇の中、こんな状況で俺は本当に無力だった。
『・・・・・今日は本当に…散々だ…っ』
暗闇で間抜けにもお姫様だっこをされたまま、日付の変わる瞬間俺が思ったのはそんな事だった。

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