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Author:白乃野ちこ
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| 小説更新 |
絵ばっかりだったのでミハアル小説1本Up[Viola]です。 エロが良かったので最初からフラグが立ちまくっています。 ミハエル視点は難しいぜ・・・姫視点のが良かったと大後悔。 でも今回文字なのでマクロスFの詳細設定とか音楽の声域の意味 とか探ってて色々勉強になった。 こりゃ漫画に生かせるね。
あとこんなの設定で出てたっけ?的なとこはインタビューとかアニメ誌 でちらりと書いてあったものですけど色々尾ひれを付けてみた。 そこまで大幅に違わないとは思うかな。 3回位続くかも。まあ1本1本で読めるんで。
しかしこのサイトどんだけ更新してるんだろうかと自分で呆れる。 7話も何回見てるんだろうかと。ちゃんと仕事もしてるんだけどな。 絵チャットとかサーバー対応してなくて出来ないんでマクロスF 好きさんとの会話代わりと思えばこんなもんか。テンション的に。 いらっしゃってる方に最大の感謝を♪
↓の文字をクリックすると出現。
「viola」Shironono Chiko
ミハエルSide
カツカツ・・・・と、誰かが廊下を通り過ぎる音が聞こえる。
それは俺が眠る部屋を通り過ぎたようで、やがて扉が開く音と共に消えていく。その音はヒールの付いたブーツのような響きにも聞こえる。だがどれもベッドで横になっている俺には確認しようもなく、その音の主が誰なのかも分からなかった。
規律の厳しいS.M.Sの集団生活では、消灯が過ぎた部屋に灯りは全く存在しない。しかも狭いベッドはカーテンを閉めると完全な個室になり、視界には暗い天井しか見えなくなる。 昔から寝苦しい夜は読書で眠りを誘うのが俺の常だったが、それも出来ないこの環境は辛いものだった。いくらゼントラの血を継いで感覚が鋭い自分でも暗闇で本を読む趣味は無い。かといって眠れない事を理由に自分だけ特別扱いをしてもらえる筈も無く、只目を閉じて眠りが訪れるのを待つだけだ。 民間軍事プロバイダーとはいえ、S.M.SもVF-25部隊を有する軍隊だ…俺も入隊して分かった事だが、規律は正規軍のソレとなんら変わりは無い。どれだけ優秀なパイロットでも皆ここでは一隊員であり、入ったばかりの俺になんて全ての選択権は皆無だ。
寝返りもうてない狭いベッド。 外界とを区切る青いカーテン。
全てが今までと違う環境。
・・・それでも最近は慣れてきたのか訓練で疲れてしまえば、大体深い眠りに誘われるようになっていたのだが、な。
俺は目を閉じて小さなため息をついた。 そう、最近はここまで寝苦しい事も無かったのだ…今日も厳しい訓練が夜まで行われ、本来ならばもう眠っていても良い筈で。 だが突然訪れた同室の男の存在によって、またも俺の安眠は妨げられていた。
シーツの擦れた音が微かに聞こえる。 このベッドの下に眠る男もどうやら寝つきが悪いようで何度も寝返りをうつ。それがまた俺の感覚を研ぎ澄ませ眠りを遠ざけるようだった。
だから俺は目を閉じたまま、その男の事を考えながら眠りを待つ事にした。
早乙女アルト。
1週間前からこの部屋に来た男は俺のクラスメートだった。 かといって初対面があの学園という訳ではなく、俺はアイツを幼少の頃から知っている。昔からずっと俺が一方的にアイツを見ていたから友人というのも違う関係…まあそれは俺にとってあまり思い出したくも無い記憶だ。 変わらず長く綺麗な髪も余計に居心地が悪くなる要因だと思う。それ程に男に固執する自分もおかしいと昔は思っていたが、惑わされた男や女は数知れず…単に俺もその中の一人だっただけと分かった。 丹精な顔立ちは成人した今も少女と見間違えるソレで、態度だけが男勝りに育ったと言うと怒られるのだが本当だから仕方ない。 そんな本人といえば恋愛など興味も無く、今はただ空へ憧れを寄せている。
そんな男は演劇科から突然俺のいる航宙科のパイロット養成コースに途中転科してきた。このS.M.Sに入隊したのは偶然の重なりも大きいが、それもまたアイツの望んだ運命なんだろう。 親への反発と空への憧れ…それは違うもののようであいつには同じもののようだった。何事にも縛られない自由が欲しいなんて、子供が大人になる頃の青臭い常套句だとも思うが。
・・・まあこうしてまだアイツの事を引き摺ってる俺も十分青臭いのか。
ちらと横目で携帯電話を確認すると、まだ夜が長い事が分かる。 暗闇が広がる空間にはもう足音も聞こえない。
相変わらず聞こえるのは微かな呼吸と衣擦れの音だけ。目を閉じたまま耳を澄ますとその呼吸が甘いように感じ、自分がどれ程重症なのかと思う。いくら軍の中で制限された生活を送っているとはいえ、男に興味を持つ趣味は持ち合わせていない…筈だ。
「・・・・・・・・ぁ」
今度は小さな声が聞こえた、気がした。 いや、それはほんの微かなものではあったけれど、確かに聞こえて。 俺は自分の感覚の鋭さと、察しの良さを少しだけ呪った。
『まいった、な・・・』
近い天井を見上げながら、心の中で呟く。 意識してしまうとさっきまで聞き取れなかった音まで自分の耳に届く気がした。単なる衣擦れの音まで…何か聞いてはいけないもののような気さえして。
別に俺もアイツも年頃だ。俺だってここで性欲の処理をする事だってあるし、以前下のベッドに居た男などは禁止されている筈の娯楽雑誌を持ち込んでしていたようだった。 だがなんというか、こんな風に動揺してしまうのは何故だろうか。若かりし頃の記憶が邪魔しているのか、あるいは俺が成人男子のアイツに未だ夢を抱いているのか・・・ってそんな馬鹿な。
「ふ・・・・・・っ」
もう一度聞こえた吐息も、布の擦れる音に掻き消される位の小さなものだった。それなのにリアルに浮かんでくるビジュアルが頭の中を支配して、自分の身体が何か重くなるのを感じる。 その吐息は身体の中の熱を逃すような甘さを秘めて…濡れた様な淫猥な感覚で響いていたから。あの、何も知らない少女のような顔をして、どれだけの熱を溜めていたのかと考えるとたまらなかった。
長い髪が汗で濡れた頬に触れて、それにもかまわず自分を夢中で慰めているのか。あの白い指先が濡れた音を響かせないようにと、苦しい欲望を抑えながら動いているのか。 想像すると随分アンバランスなビジュアルで…それなのにぞくぞくと自分の熱も溜まってくるのは何故なのかと。
その瞬間、見たいと思った。 いや、本当は自分の手でどんな反応を返すのかそれが見たいと。 でもそれは性の対象というより想像の範囲内を出ない妄想を確認したい、そんな単なる興味の延長上だったと思う。もちろんそれは早乙女アルト以外の男には起こり得ないものだとも分かっていたけれど。
だから、試してみた。
「アルト・・・・・」
囁く声で、それでも確かに耳元まで届かせるように。 幼い、未成熟なソレを甘く刺激するように名前を優しく呼んだ。
「…っつ・・・ぁ!」
次の瞬間聞こえた声は、確実に俺の声に反応していた。 その声はまさに名前と等しく、色気を持った少し高いもので…濡れた肌が、紅く染まったのだと思った。ぴんと張った足の指先がシーツを引っ張って、そのまま手のひらを濡らすモノに恥ずかしさを感じているのか。
『・・・何してんだ俺は』
腕に抱いてもいないのに身体を抜けるような感覚はとても卑猥で、今まで自分が感じた事のないものだった。想像の中でしかないのにその痴態は妙にリアルだったが、それも実際のものとは全然違うのだろう。 今の自分ならばそのままあの狭いベッドに潜り込んで、精を吐き出した手を舐めとる位は出来た。そこまでしてしまえば自制が効かない自信はあるが、あのお姫様を行為で溶かす自信もある。 でもそれが出来ないのはやはり…俺の中で理解出来ない感情が昔からアイツにあるからだろう。
全く、昔からの記憶というやつは厄介だ。
その後は向こうからの反応も無く、俺も暫くは悶々としていたが疲れと共に眠ってしまっていた。いくら成人したての男とはいえ、本格的に襲う眠気には勝てないのだと知った。
翌朝といえば拍子抜けする位やけにあっさりと挨拶を交わした…ように見えたが俺には分かっていた。 アイツの瞳がいつもと違う戸惑いを見せているのを。
伊達に何年もずっとあのお姫様を見てきた訳じゃない…今はそれが分かっただけで十分だと思う。一撃必殺のスナイパーでもアイツに関しては長期戦覚悟だ。
「戦闘開始、ってのも似合わないか…」
俺はフロンティアの低い空を見上げながら、我ながら馬鹿らしい事を呟いた。

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